自然再生エネルギーの利用という観点から、水力発電は注目されてますがコスト、環境、適地などの問題から大規模ダムの建設は各地で進まない。
そこで、小さな河川での小規模水力発電をもっと普及し、活用しようとするもの。
環境にもやさしそうで、聞こえは良いが・・・
小水力というと、かんがい水路で大きな水車が回るイメージですが、これは発電量がとても少ないものです。
小さなダム(日本ではなぜか15m以上をダムと呼ぶ)を作り、川から水を取りパイプラインで落差を作り管内の水車を回すタイプが多く、大発電所を小型にしたもので川から水はいったんなくなり、パイプ内は魚は通れません。
水車に石や流木が入らないように発電水路入り口にはフェンスや沈砂池が設けられ、発電所内では高速で回る水車のブレードなど、魚の遡上はもちろん降下にも障害となります。
発電量で呼び名がわかれる
大水力発電 100,000kw以上
中水力発電 10,000kw以上 100,000kw未満
小水力発電 1,000kw以上 10,000kw未満
ミニ水力発電 100kw以上 1,000kw未満
マイクロ水力発電 100kw未満
エネルギー対策の点からは、大水力1基を小水力でまかなうためには、100基の小水力が必要となり、支流や渓流の環境破壊につながります。
これが環境にはやさしいのか?経済的にも効率的なのか?
CO2削減のために環境を犠牲にはできません
現在、自然再生エネルギーによる売電価格は高く設定されていますが、持続可能性からはこの補助なしでも採算がとれるのか?
補助金目当てのダムが乱立しないか心配です。
一部には、上下水道での落差や農業用水路での水流の利用など、環境への負荷も小さい小水力発電も考えられるが、すでに水利権を持っている場合が多く、規制緩和の必要があるのか。
水力発電での発電量は
水の運動エネルギーから推定できます
発電出力(kW)=9.8(m/s2)×落差(m)×水量(m3/s)×変換効率(%)
落差10(m)、水量10(m3/s)、発電効率70%では、約700kWの発電出力です。
発電効率が高いほど発電後の流速は遅くなります